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立教生ができる支援とは?立教生ができる支援をやろう!私たちができることを考え実行するプロジェクトとして、立教大学社会学部が立ち上げた「RDY(立教生ができることをやろう)支援プロジェクト」のブログ
唐桑ツアー報告書、被災地への思い
経済学部経済学科1年
船田駿介

 僕が東日本大震災と初めて関わったのは高校2年の夏。あの時僕は、被災した中学生が、僕ら東京の学生となんら変わらない様子だったのを目の当たりにし、何も考えずにいた2年半が情けなく感じた。そして、とりあえず自分ができるだけ早く被災地を訪れることができればいいなと思った。そして、大学へ入学し、11月初旬、初めて被災地(大槌町、釜石市)を訪れた。そのときの感想は、何もない更地があるのはある程度予想していたし、メディアで見てきた被災地の姿とギャップをあまり感じず、「まあこんなもんだろうな」という思いが心のどこかにあった。
 そして震災から丸5年、唐桑ツアーを迎えた。唐桑ツアー自体が、世間一般で言われるようなボランティアじゃないっていうのはわかっていたし、たくさんの面白い方々に会えるのはわかっていたから、「その場(現地)の雰囲気に身を任せ、吸収できる話は真剣に聞き、被災者のニーズ調査というFrontiersの目的を忘れないで常に気にしておくというのを心にとめておけば、何か自分にとっていいことが起こるだろう」、そう思ってツアーに臨んだ。結果、僕はこの唐桑ツアーに行って本当によかったと思う。
 一つの理由は、震災発生から現在までにさまざまなメディアが自分の頭の中に作りあげたイメージを、破壊することができたからだ。それを破壊してくれた米沢さんに出会えたことは本当に良かったと思う。米沢さんの震災当時の再現と津波の動画で、僕の中の震災のイメージは180度変わった。米沢さんが見せてくれた動画は、一人大海原に放り出されて、誰も助けにきてくれないという情景を連想させた。今までテレビやネット越しに見てきた動画は必ず高台にあり、何か手前に目に入るものがあった。米沢さんの撮った動画にはそれが一切無かった。それが無いのは本当に恐怖でしかなかった。この動画を見ていなければ、被災地への関心は徐々に消え、ただ自分はいい人であるという妄想を膨らまし、それに気づかず被災地を訪れるだけの偽善者になっていたかもしれない。それくらい、米沢さんとの出会いは、自分の中の被災地に対する思いを変えたと思う。
 もう一つのツアーに行って良かったと思えた理由は、自分がこれからできること、したいことが見つかったからだ。今回のツアーの目的の一つだった現地の方のニーズ調査の結果は、東京の学生が現地で「楽しい」と感じることが、被災者の方々が求めているものということでほとんど共通していた。支援認定を受けたりしているのに、「楽しい」だけでいいの?というのにFrontiersは今まで躓いてきたと思う。でも、「楽しい」でいいと思う。だって、それが現地の方々のニーズなのだから。僕にとって「楽しい」と感じた瞬間は、やっぱり東北というフィールドを肌で感じながらいろんなことを知っていく時、陸前高田を自転車で走っている時だった。震災から5年たった3月11日の陸前高田の空は透き通っていた。そこを走っている時、「ここにこんなものがあるんだ。」と地図と照らし合わせるのが、純粋に楽しかった。個人的に感じていることだが、Frontiersメンバーの「楽しい」とは、現地の人と仲良くなる、そういう「楽しい」という意味合いが強いと思う。もちろん「楽しい」の形は人それぞれだ。だから、それを続けていくのは素晴らしいし、僕もそういう風な「楽しい」が続けばと思う。でも、僕的にはそこに執着したくない。だから、ここってこだわらず、もっと別の場所も見て、自分ができる限りたくさんの人に出会って、たくさんのことを知って、まだ知らない人に伝えたい。まだ知らない人が、その人にとっての「楽しい」の形を見つけることができれば、なおさらいい。そういった東北との関わり方が僕にとっての「楽しい」の形の究極であり、これから目指すべきものであると感じている。でもそれは理想だから、まずは次のツアーで新しい人と出会ってみたいし、今までFrontiersがお世話になってきた方々との関係性を深めるということから始めたいと思う。初めて、自分個人の東北に対する思いを持てた点で、唐桑ツアーに行けて、本当によかったと感じた。
 今まで書き記したように、初めての唐桑ツアーは、団体としての東北への思いというより、個人としての東北への思いのツアーだった気がする。だけど、個人の思いをこうやって文字に表すことができたので、これを忘れずに次の唐桑ツアーに活かしていきたい。
 高校時代から被災地に訪れたいというぼんやりとした思いが、この唐桑ツアーを経験することによって、自分がこれからしたいことを見つけることができ、少しは形になった気がする。欲を言えば、もっと早くに被災地に関心を向けていたかった。でも、僕自身、時間が経過してから関心を持つようになったので、まだまだ僕のようにこれから関心を持ってくれる人はたくさんいるはずだ。その人のためになるように東北との関わりを続けたいし、そこだけにとどまらせたくない。

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【2016/04/19 15:51】 | 活動報告
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