FC2ブログ
立教生ができる支援とは?立教生ができる支援をやろう!私たちができることを考え実行するプロジェクトとして、立教大学社会学部が立ち上げた「RDY(立教生ができることをやろう)支援プロジェクト」のブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

唐桑ツアー報告書
法学部政治学科3年 
宮代綾子

 はじめに、お会いした方々とfrontiersのみなさんをはじめとするツアーの参加者に感謝の意を示したい。東北と立教大学の想いの通ったつながりに加わって、人と人との交流の暖かさが身に染みて分かった。そして、このつながりの一員となった以上、釘子さんの言葉を借りれば、「使命」を果たさなければならないと感じている。これから、唐桑ツアーを通して伝えたいと思ったことを書き連ねたい。
 陸前高田に到着し、感じたのは不自然さだった。その不自然さは、第一にイメージとの乖離から生まれたのだと思う。道沿いにある飲食店やイオンスーパーと、点々と残された震災遺構、黒いビニール袋(防波堤が完成するまで道路を守るものだそうだ)、学校の校庭にいまだにある仮設住宅、一面の盛土と工事用車両。想像していたよりも復興が進んでいない。全てを失った中心部では、ようやく図書館と市役所の骨組みが作られているところだった。それらより海に近いところは、もう家や商店は建てないのだという。第二の不自然さの原因は防波堤である。防波堤の高さは約12m。東日本大震災レベルの津波を抑えることはできない。何か、根本的な解決ではないように思ってしまった。そして、この違和感は津波の話や映像を通してより強くなった。津波は絶望的なものである。数秒で町を、全てを飲み込んでいく。人間に制御できるものではないと私は思う。制御はできないが、何年かに一度は津波が来ることから目を逸らさず、その日が来る日に備えなければならない。どう備えるかが問題となるが、防波堤というハードだけでは足りないのではないか。米沢さんによれば、あの日、人々は津波が来るとは思っていなかった。地震が来たら津波が来ると後世に伝え、教育していくことが、生き残った者や話を聞いた者の「使命」なのだと思う。
 メディアでは、「絆」や「奇跡」といった素晴らしい言葉がクローズアップされる。しかし、このツアーでは震災における負の側面にも向き合うことができた。震災直後、真っ先に被災地を訪れたのは泥棒だという事実。車イスの人が津波から逃げている場面で、逃げた人は助かり、最後まで救助を続けた人は波にのまれたという映像が語る真実。倫理観も生と死もごちゃごちゃになった被災地で、生き抜いた人々は強い。釘子さんは世の中にNoとはっきり言える人で、信念を持っていた。でも、強くいられなかった人もいる。国昭さんは震災後意気消沈していたが、学生ボランティアに支えられて立ち直ることができたという。国昭さんは前向きにすべてを受け入れることができる人だ。私は今回のツアーで3日に渡り国昭さんと言葉を交わしたことで、帰る場所ができたと思えた。米沢さんは来年建て始める店と今後の陸前高田について語ってくださった。三浦さんは震災で農作物の種類を変えたそうだが、前向きにとらえていることが印象に残った。
 陸前高田も唐桑も、自然に囲まれ、料理が美味しく、優しい人々がいる魅力的な場所だった。「もっと早く来れば良かった」、「家族を連れて行きたい」と思ったほどである。(私の実家がある埼玉県は海なし県であるため新鮮な魚介類を堪能できたということは立派な自慢になるし、実際家族にうらやましがられた)今、唐桑では地域の若者と移住者が協力してまちづくりを行っていると聞いた。ふるさととしての唐桑と、生まれ育った土地ではないからこそ見つけられる唐桑らしさが融合することで今までにない化学変化が起こるのではないかと思う。
唐桑ツアーに参加して、唐桑と陸前高田の現在を知り、何人もの人生の先輩に出会うことができた。恩返しのために、この経験をより多くの人に伝えていきたいと思う。できれば、誰かを連れて、何年後かに再び陸前高田と唐桑を訪れたい。
最後に、「私の街には災害が起きない」と思っている方へ。あなたが住む場所で過去にどんな災害があったか知っていますか。緊急時にどこに避難するか、知っていますか。避難所が本当に安全か確かめたことはありますか。その避難所にはどんな備蓄が用意されていますか。――釘子さんが私たちに投げかけた質問です。これらの質問ではっとした方は調べてみましょう。私もこれから始めます。今日から始められることもあります。水と飴、常備薬を入れた避難袋を用意し、寝床の近くに靴を用意すること。いつ来るか分からないなら、今日来てもおかしくはない。自分の命を守るために、そして、家族の命を守るために、できる限りの準備をしていかなければならないと思いませんか。


スポンサーサイト

【2017/03/26 19:54】 | 活動報告
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。